大好きな時間
りぼんオリジナル・1990年夏の号に掲載。
あらすじ
同時収録の「チャンスは素直で」の続編。恋人同士になった竜起と愛久。夏休みが近づいていたある日、愛久が「時計うさぎ」というキャラクターが好きなことを竜起は知る。その日以降、竜起はとある計画のため、放課後、愛久を避け、いつもどこかに出かけるようになり…。
主な登場人物
気田 竜起(きだ りゅうき)
愛久の彼。時間うさぎが好きな愛久のために、とある行動を取る。
里見 愛久(さとみ よしひさ)
学校が違うので、竜起と一緒にいる時間が、愛久にとって、いちばん大好きな時間になっている。
矢吹(やぶき)
竜起と同じ学校の幼なじみ。
ネタバレ・感想
大好きな時間の試し読みができます!お先にどうぞ。
ここからネタバレ・感想を含みます。ご注意下さい。
「チャンスは素直で」の続編に当たるので、先に読むといいかも。
この作品は愛久視点ですね。愛久ちゃんの性格というか、キャラクターは変わりないですが、竜起に対しての好き度というか、格段にアップしていると思います。
竜起の優しさから、愛久とすれ違いというかケンカっぽくなっていくのですが、金欠なのは相変わらずなんだな、と(笑)ここで気になるのは、この作品は、まだ中学生設定なのかな?(チャンスは素直でと制服が変わってないので、中学生設定かなとも思うのですが。)…中学生なら、ちょっと設定が難しいようなとこもあるかもしれないんですが(花屋で◯◯)まぁ昔だし、漫画だし(笑)
友人の矢吹くんが、今作では不憫です。事あるごとに不憫です。…でも不憫キャラが好き(笑)あと、なにげにとある状況で、メロン買ってきたぞ!と言える財力がいい(…親のお金かもしれないけどw)
すれ違いながらも、理由が分かって…さてハッピーエンドとなるか?が見所…ですね!最後のコマカットが好き♪
春の日のねむり姫
りぼん・1990年4月号に掲載。
主な登場人物
色部 美咲(しきべ みさき)
春になるとねむりぐせが発病してしまう。入学式でも眠さに勝てず倒れてしまい、田元を巻き込んでしまう。
田元 精一(たもと せいいち)
入学式で隣に立っていた美咲が倒れたことにより、一緒に倒れてしまう。美咲と同じクラスになり、席も隣になる。
青木 菜々(あおき なな)
同じクラス。入学式の時、美咲の後ろの後ろにいたらしい。美咲のことをおもしろそうと思い、友達になりたいと話しかける。美咲のねむりぐせを知り、色々なアドバイスをしてくれる。
あらすじ
春になると「ねむりぐせ」が発病してしまう美咲。高校入学の日、そのねむりぐせで、入学式の最中に男の子も巻き込んで倒れてしまう。その男の子、田元はくしくも同じクラス、席も隣だった。美咲は改めて謝るが、どうやら嫌われてしまったみたいで…
ネタバレ・感想
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…分かる、春は眠い(笑)でも、眠さに限らず、血圧とか他の体調の悪さもありますが、いまだ立ちながら眠くなったことはないので、分かるような分からないような?(笑)
第一印象が最悪ゆえに、入学式以降、美咲は田元くんの怒った顔しか見たことがないようですが、そんな田元くんは、他のクラスメートや部活中には笑顔見せます。
その優しい笑顔が自分には向けられないことから、自分の気持ちに気がつく美咲。そして、美咲が色々と努力はしていることには気が付いている田元。
最終的に、そのねむりぐせによって、真っ暗になるまで、美咲は教室で寝てしまうんですが…高校ぐらいになると、親は娘が帰ってこないのを気にしないのかなぁと思ってみたり(うそうそ、漫画だもんねw)
その真っ暗な中(夜)、たまたま田元くんが忘れ物を取りに来たみたいなんですが、田元くんもどうやって教室まで来れたのか(笑)守衛さんとか一緒にいなかったからさ。
果たして美咲は田元に笑顔を向けてもらえるのか…?っていうのがミソな話ですね。最後の2ページのドタバタ感がいいというか、昔の感覚でいう高校の青春っぽい。
明日からこころTICKLE
りぼんオリジナル・1990年早春の号に掲載。
主な登場人物
中村 時子(なかむら ときこ)
九官鳥のドンを飼っている。
岸塚 修(きしづか おさむ)
時子と同じクラス。「タミー」という女の子の九官鳥を飼っている。
麻美(あさみ)
岸塚の幼なじみ。(岸塚のことをお兄ちゃんと呼ぶので年下の幼なじみ。)
あらすじ
時子が九官鳥の「ドン」を飼って1ヶ月、ある朝、ドンはゲージから逃げ出してしまう。探しに出かけると、クラスでもうっとうしい存在である、岸塚の家の窓辺に、岸塚と九官鳥がいるのを見かけた時子は、インターホンを押す。しかし岸塚に、うちに九官鳥はいないと言われてしまい…
ネタバレ・感想
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岸塚の家にいた九官鳥をわたしもドンだって、当時(コミックで)読んだ時に思った記憶がある。ドンが逃げたきっかけで、岸塚と仲良くなるお話かと思いきや、違ったw
岸塚の家にいるタミーちゃんですが、九官鳥と言えばおしゃべりできますよね。そのおしゃべりできることが、この話のキーとなっています。
体温計はかろうじて、デジタルの方が馴染み深いですが、水銀体温計で、簡単に体温を操作できる…というのが分かってしまう世代だわ(笑)
このお話は、男の子がすでに女の子を好きなパターンですが、男の子、岸塚くんが、九官鳥や幼なじみの麻美ちゃんに、好きな女の子(時子)のことを話しているのが、なんというか微笑ましい。まぁ、そのせいで麻美ちゃんは、おもしろくない→時子に少しいじわるするわけですが。
この2人がどういうふうに仲良くなるのか、そしてドンは見つかるのか?(笑)が楽しめるお話ですね。タイトルも、絶妙な心情から取られていていいな、と♪
チャンスは素直で
りぼんオリジナル・1989年秋の号に掲載。
主な登場人物
気田 竜起(きだ りゅうき)
中学3年生、テニス部。毎朝、バス停で見かける、別の中学の「バス停の君」が気になっている。
里見 愛久(さとみ よしひさ)
「バス停の君」。見かけは、慎み深くてしとやかでおとなしく見えるけど…?
あらすじ
竜起は、毎朝、バス停で見かける「バス停の君」が気になっていた。それが元気の源であり、県内試合が迫っていた部活(テニス)にも精が出る。その部活中に、勢い余って、遠くに打ってしまったボールを取りに行こうとする。探しに行くと「バス停の君」が手にボールを持ち、近づいてくる。チャンスと思った竜起は、話しかけるのだが…
ネタバレ・感想
ここからネタバレ・感想を含みます。ご注意下さい。
第一印象と実際に話してみると…のギャップがあるとどうかって話ですね。好きなタイプと違っていても、気になるものは気になるもんです。
愛久(名前が珍しい…)も、竜起に対して、第一印象はおそらく最悪と思うのですが、とある扱い方をされて、一気に気になる存在になったという感じかな?…じゃなきゃ、わざわざ方向違いの別学校にまた来ないもんね(*´꒳`*)
部活仲間に茶化されて、愛久を傷つける言葉を言ってしまいますが、その状態のままテニスの試合へ。
逃すな!と受け止めた?!が、可愛らしいオチというか…
竜起と愛久は無事に仲直りできるのか、もういちどチャンスがあるなら、今度は竜起は行動できるのか、という感じでラスト。
視点が竜起(男の子)視点で進むのが珍しくていいかな、と思います(*´꒳`*)
初恋のTheme
りぼんオリジナル・1989年初夏の号に掲載。
主な登場人物
秋本 香織里(あきもと かおり)
交通事故によって足を骨折し入院することになる。
沖 元博(おき もとひろ)
香織里のクラスメート。とある病気で入院している。
あらすじ
通学途中に、香織里は交通事故に遭う。目が覚めると足にギプスをされ、病院のベッドの上だった。しかも香織里以外、全員、男の4人部屋で、その内の1人はクラスメートの沖くんだった。学校じゃ見れない沖くんの一面を知り、香織里にある気持ちが生まれて…
ネタバレ・感想
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タイトル通り、初恋…というか甘酸っぱい。
クラスメートと同じ病室になった、という特殊な状況ですが、沖くんの入院をそもそも知らなかった状況(他のクラスメートはみんな知っていた状況)から、入院している間に、新たな一面を知り、自分の中に芽生えた気持ち(恋)に気がつく…というね。
香織里ちゃんが骨折で入院なので、数ヶ月?ぐらいの出来事だと思うんですが、31Pで、けっこう色々と詰まってます(笑)
沖くんについて、「もう日にちがない…」という看護師さんたちの言葉を聞いたことにより、香織里ちゃんの暴走というか、気持ちが焦る描写や表現があっていいな、と(*´꒳`*)
その「日にちがない」について、川野先生が枠外コマで、「強引なオチでしたね」と書いてるとこも、妙に好感が持てます♪
このお話で1番好きなところは、自分の気持ちに気が付いた香織里ちゃんが、自分から行動しようとしている(実際に告白してないんですが告白しようと決意している)部分ですかね。
あと、何気に同じ病室の「新太くん」の初恋…みたいな感じも描かれているようで、微笑ましい作品です!
まとめ
川野先生の初コミックスですね。わたしは、川野先生といったら、「ぶっきっちょさんの〜」から入ったクチですが、コミックス全部持ってます。(そして何気に自分が持ってる本は1991年1月19日の初版発行のやつだった)5作のうち4作は、先生が学生の頃に描かれたものだそうです。(おまけの柱より)
全体を通して、初恋…と断定されてないですが(初恋のThemeはそうだと思いますが)、初々しい、可愛らしい恋のお話が多いコミックスとなっています。
川野先生の絵も、可愛い…特に女の子が可愛いなぁ(*´꒳`*)と当時も思ってましたが、目がやっぱり好きなのかも。あと、純粋にお話も。大人になっても好きだなって改めて思いました。