ねこ・ねこ・幻想曲(ねこ・ねこ・ファンタジア)5巻
りぼんで1987年11月号から1988年3月号で掲載
あらすじ
里子に飼われている黒猫のシロは人間の女の子に変身できる不思議な猫。
変身できる力は人間に秘密にしなければいけないと言われ、落ち込むシロだが
みんなに励まされ、人間と猫のかけ橋になろうと決意する。
ところが、ある日人間から猫に戻ろうとすると、お月様の力が、
そばにあった手鏡に吸い込まれてしまう。
このままでは、お月様が司る誕生と死の秩序が乱れてしまうと聞いたシロたちは、
大急ぎで手鏡を見つけようとするが…。
主な登場人物
シロ
樹村家の飼い猫。黒猫だけど「シロ」という名前。
みかん箱に入れられて川に流されていたのを、里子に助けてもらう。
お月様に頼んで人間の女の子の姿に変身できる。
人間の時は「猫野白(ねこの しろ)」という名前だと勘違いされている。
樹村 里子(きむら さとこ)
緑ヶ丘高等学校2年5組。3年の香川先輩と付き合っている。
樹村 正人(きむら まさと)
樹村家のパパ。緑ヶ丘高校の生物教師。猫が嫌い。猫アレルギーでじんましんが出る。
しかしシロからは、マイダーリンのパパと呼ばれるほど好かれている。
樹村 冴子(きむら さえこ)
樹村家のママ。お料理上手。昔は看護婦をしていた。
香川貴広(かがわ たかひろ)先輩
緑ヶ丘高校3年8組。頭脳明晰、明るい性格。バスケット部副キャプテンで生徒会風紀委員長。
自分をずっと励ましていてくれた女の子が里子と知り、里子と付き合うようになる。
サスケ
竹中生花店で飼われている猫。最近はシロとよく行動を共にする仲良しな猫。
ネタバレ・感想
ねこ・ねこ。幻想曲5巻は電子書籍で試し読みができます。お先にどうぞ!
ここから、ネタバレ・感想になります。ご注意下さい。
●鏡の中のお月様の巻
お月様の力が吸い込まれた鏡がなかなか見つけれないシロたち。
その手鏡は、里子の手から、様々な人間の手に渡っていって…
シロは無事に猫に戻れるでしょうか?
リレーみたいに、手鏡がどんどん人の手に回っていきます。
鏡を探す最中、香川先輩のお友達の太田くんの家にも行くことになるのですが、
…太田くんのお家は太田寿司というお寿司屋さんをしているんですね…
すっかり記憶にないな(爽)
最終的に、鏡が手渡った河口さんに辿り着きますが「ごめーん どこかに落としちゃったあー」と言います。
みんなで「ええーっっ!!」と迫りますが、私も迫りたい気分(笑)人のもの無くすかね!(笑)
あと、手鏡探しを手伝いしている最中に、里子がシロのことを
どんなに可愛がっているか、大切に思っているかということが分かりほっこりします。
「もしこのままサトコん家の猫が帰らなかったら…どうする?」
「やだっそんな悲しいこと言わないでよ」
「川で拾って一生懸命育てて いつだってわたしの一番の話し相手で…とってもかわいくて大切な子猫なのよ」
「このまま帰らなくなったときのことなんて考えたくない!」
この言葉だけではなく、里子はシロが大切なんだっていうことが行動によっても分かります。
なかなか咄嗟に行動できないと思う!
里子の想いを知って、ますますシロと里子の結びつきが強くなった回だと思います。
●小さなパパとねこの巻
パパが本当は猫好き…!?
おばあちゃんが樹村家に訪ねてきたことによって、
パパが昔、猫が好きだったことが発覚。なのになぜ今は苦手なのか…?
パパによって語られる、子供の頃の話。
ミーヤ…そうミーヤの話だよ!!
これは、子供の頃に読んで、本当に泣きました(´;ω;`)
悲しい話であると同時に、個人的にはとても印象深い回の話です。
柱トークで高田先生も書かれていらっしゃいますが、戦争の話をりぼんでするにあたって、
担当者さんから資料をたくさん提供していただいたそうです。
また、先生のご両親や祖父母から、体験談を聞かれたそうです。
だからかなぁ…戦争世代ではないのに、この話を読んで、妙にリアリティを感じて
やっぱり泣けますね。大人になっても、やっぱりこの話でまた泣きました。
あと、パパに対する愛着が増します。いよっ!パパやっぱりいい男!(笑)
●サトコねこの巻
里子がふと口にした一度猫になってみたい願望を叶えるためシロはお月様にお願いします。
お月様から無事に猫になる力をもらいますが、深夜12時までに元に戻らないと、
永遠に猫の姿のままであることを忠告されてしまいます。
そのジュニジが何のことか分からず、里子と一緒に夜のお散歩に出かけますが…。
木の上に飛び移ったり、木から飛び降りることができた里子は感動して、
いつもシロがやっている猫のあらゆる動作をまねてみて、さらに感動するんですが、
わたしもやってみたい!箱にスポーンと飛び込んでハマるやつとかw
この回でシロのご近所のテリトリーの地図を先生が描いてくださっているのですが
大人になって、ちゃんと見ると、へ~!こんな感じなのかと改めて分かっておもしろいです。
(子供の頃は、たぶん小さくてごちゃごちゃしてるからとななめ読みしてたんだな、と)
猫になった姿で、里子は先輩に会いに行きますが、
先輩が普段コンタクトだったとは知らなかった!眼鏡姿を拝めます。
普段、裸眼やコンタクトの人が、眼鏡姿だと萌えるな…あれ?萌えません??(笑)
あとシロとサスケはお月様がいっていたジュニジ(12時)ってどんな虹なんだろうと
考えてる姿が可愛い。
シロたちが12時について教えてもらった時には、時刻は真ん中に近い辺り(11時55分)。
大急ぎで里子のもとへ。間に合うのか―?
というのがこのお話のミソかなと思います。
このお話しの最後にケンという猫が初登場します。…けっこう忘れてるもんだなぁ。
サトコねこの騒動のときに、シロたちを助けてくれるのですが、
翌日も、川でおぼれそうになっている子猫をシロが助けようと、川に飛び込むのですが、
結局、おぼれてしまったシロと子猫をケンがまたまた助けてくれます。
ケンは、町から町へと旅をしている猫。その理由が、風が吹くから―。
風の猫、ケンが登場して物語はどうなっていくのか、6巻へ。
まとめ
この巻では、パパの過去の話が印象的かなぁと思います。
戦争の話なんですけどね、やっぱり今の平和な時代って
こういう様々な歴史の上に成り立っているんだなって思うんですよ。
隼斗さんのくだりもすっかり忘れてた。
人間であろうと猫であろうと、逆らうことのできないものを前にしては
無力で儚いものなんだなぁ…と思います。
里子が猫になっちゃった話は、里子は猫になったらこういう感じだったか、これも忘れてた。
イメージ通り可愛らしい猫だなぁと思います。
この話の中で里子は、先輩が…丸ボーズになったって…というセリフがあるのですが、
確か、後々の巻の柱トークで、そのことについて書いてある柱があったような…?
風の猫のケンが現れて物語はまた1つの山場へ。6巻に続きます。