ねこ・ねこ・幻想曲(ねこ・ねこ・ファンタジア)10巻
りぼんで1990年1月号から1990年4月号・7月号で掲載
あらすじ
里子に飼われている黒猫のシロは人間の女の子に変身できる不思議な猫。
シロの秘密は、人間では里子だけが知っている。
ある日、里子はあるきっかけでブレスレットを失くしてしまった。
しかし、ブレスレットが戻ってきて一安心、のはずだったが、
里子がブレスレットを失くすことをあらかじめ予言していた猫が、
再び里子たちの前に現れて…。
主な登場人物
シロ
樹村家の飼い猫。黒猫だけど「シロ」という名前。
みかん箱に入れられて川に流されていたのを、里子に助けてもらう。
お月様に頼んで人間の女の子の姿に変身できる。
樹村 里子(きむら さとこ)
緑ヶ丘高等学校2年5組。3年の香川先輩と付き合っている。
樹村 正人(きむら まさと)
樹村家のパパ。緑ヶ丘高校の生物教師。猫が嫌い。猫アレルギーでじんましんが出る。
しかしシロからは、マイダーリンのパパと呼ばれるほど好かれている。
樹村 冴子(きむら さえこ)
樹村家のママ。お料理上手。昔は看護婦をしていた。
香川貴広(かがわ たかひろ)先輩
緑ヶ丘高校3年8組。頭脳明晰、明るい性格。バスケット部副キャプテンで生徒会風紀委員長。
自分をずっと励ましていてくれた女の子が里子と知り、里子と付き合うようになる。
サスケ
竹中生花店で飼われている猫。シロに好意を寄せている。
長老
お年寄りの猫。シロたちの町の猫から慕われている。空家の洋館の屋敷に1匹で住んでいる。
ボス
月見町の猫。みんなから慕われボスと呼ばれている。
ネタバレ・感想
ねこ・ねこ。幻想曲10巻は電子書籍で試し読みができます。お先にどうぞ!
ここから、ネタバレ・感想になります。ご注意下さい。
●予言猫シエルの巻
かぎしっぽの白猫シエルが再び里子の前に現れた。
シエルは、優しい里子に恋をしてそまい、人間の姿に変身して、
里子の新しい恋人になろうと画策するが…。
「わたしの名前はシエル」「右の目で未来を左の目で過去を―」「わたしはこの2つの水晶(め)にあなた達の運命を写し出すことができるのです」
便利やな…。でも黒猫は見えないのか…。
ボスが長老のお誕生日会が終わってもこの町にまだいることを不思議に思ってるあたり、
シロも意外とするどいかも。ボスの耳が少し後ろに下がっていたのにも気づいたし。
猫の耳って心配事があると下がるんですね…知らなかった!
里子に惚れるシエルだけど、シエルの目はハート♡になり、キスでコロッといってます(笑)
シエルの元にサスケが現れ、こっそり、
今好きな子つまりシロと将来、結婚できるか聞こうとします。
意外に、サスケはそんなの聞かないタイプかと思ってた。
どちらかというとセディの方が聞きそうなのに。
シエルはちゃんと答えます。その答えは…ふふっ
「今、あなたと彼の運命が見えました」
「あなた達はきっと近いうちに別れることになるでしょう」
さてと、シエルにこう言われたらイヤだよね…
なんか、詐欺師とかの手法みたいだわ(笑)
最初は、本当のこと、実力を見せておいて、あとあと騙すみたいなw
シエルに騙されシエルを人間に変身させるシロですが、
自ら、シエルを今、猫に戻してしまえば里子の恋人にならずにすむ、と考え、
お月様にシエルを猫に戻すようにお願いしようとします。
シロにしては、勘が働いたんだけど、口に出しちゃったから、シエルに気づかれちゃった(笑)
その後、シロがお月様にお願いする前に、シエルはシロを袋の中に閉じ込め、
さらに粗大ごみの中の冷蔵庫の中に袋のまま閉じ込めるんだけど…
…シエル、たぶん、酸素やばいと思う!息できないんじゃ…
学校に現れたシエルは、香川先輩とバスケ対決をしたりするけど、流れの中で、
里子の体重が48kgとか、おねしょのこととか、夕べの寝言とか…目の力で言っちゃうんだけど、
シエル、アウトやで!(笑)
ってか、里子、身長あるのにスマートだね…羨ましいw
あっ、シロ袋のまま脱出できたんだ、よかった(笑)
先輩がシエルとのことで誤解して、ケンカみたいになったので、
シロは、先輩にお手紙を書いたらどうか、先輩に届けてあげる、と提案し、
里子も手紙なら読んでくれるかもしれないと、里子は思います。
…ここが時代ですよね!携帯とかないんだぜ?(笑)
里子の手紙を届ける最中に、シロはシエルに出会います。まぁそりゃそうだ。
そんなに急いでどうしたのかと尋ねられますが、シロは内緒だもんと切り抜けようとします。
しかし、古典的なワナにひっかかり、シロがよそ見をしている間に、
手紙はすり替えられてしまいました。
そうとは知らずに、シロは先輩の家に着き、
里子が一生懸命書いた手紙であること、里子の今の気持ちが入っているんだよ、と手渡します。
思えば、里子はそんな子じゃないと反省しながら、手紙を開封しますが、
そこには「あなたなんてだいきらい」との文字が。
ここで物申したい!(笑)めちゃくちゃ下手な字なうえに、先輩が里子のことを好きになったのは、カードや手紙でいつもちょっとした時に励ましてもらっていたからなはず…
字を見れば、その子だって分かるとまで言っていたのに、
これが里子の字じゃないなんて、なぜ気づかない…!!(笑) 答え.それが漫画というものです。
先輩、手紙について、里子に電話しようとするんですが…
…先輩は、自分の部屋に電話がある人みたいです、すごい…(笑)
「君がこんな子だとは思わなかった!」
この一言で、ぽろぽろ泣き出す里子を抱きしめたい(笑)
「先輩はサトコが先輩のことどんなに大好きかなんて考えたことないんでしょ」
シロのセリフですが、シロは里子のこと、ちゃんと分かってる1番の理解者ですからね!
先輩のバカ―
よく言ってくれたシロ!!(笑)
過去を見ることのできるシエルなら、わたしがどんなに先輩のことを想っているか、
わたしが今、どんな気持ちでここにいるかってこともわかってちょうだい
里子にそんなこと言われたら、シエルはぐうの音も出ないと思う。
先輩との約束の場所に1人向かう里子ですが…
里子の身に迫る危険―。果たして、助けることができるのでしょうか?
香川先輩と里子はどうなる…?
この話のクライマックスとして、ちょっとしたラブシーンがあります。
それ込みの話だと思うのですが、柱トークで、高田先生は、
ラブシーンを描くのがすごく苦手で照れてしまうと書かれていました。
そして、水沢めぐみ先生もラブシーンを描くのはとっても照れるそう。
…矢沢あい先生は、ラブシーンが大好きで陶酔して描いているとか。さすがっす(笑)
●長老の想い出の巻
長老の家が取り壊されてしまうことをしったシロたち。
どうにかして、長老の家を守る方法はないかと考えるけれども…。
騒ぎ立てるシロや周りの猫達とは対照的に、長老が落ち着いているのが印象的です。
この回は、長老がこの家に来た頃の回想があるのですが、ここでもちょっぴり泣けました。
長老も飼い主さんに、すごく大切にされてきたんだな、と。
みんなの前では穏やかな感じだった長老も、
昔を思い出し、涙を流しちゃいました…(´;ω;`)ウッ…長老…
長老とシエルがシロたちの町に来た本当の理由は、長老の家の件と判明しますが、
ボスはいつだって冷静だなと思います。
ノラで強く生きてきたからか、至極まっとうな考えと思うけど…思うけどでも!
●長老のお家を守れ!の巻
人間に変身したシロ、サスケ、セディ。
長老の家も守るため、考えた作戦を実行するが、ついに重機も投入され…。
その頃、長老を救う方法を唯一、知っているシエルは1人怯え…。
長老は、すべてを悟ってる感が出てるけど、
サスケはまだまだ青い。でも、わたしは、こういう青くさいのは嫌いじゃないw
ボスがシエルに詰め寄るシーンですが、
そういえば第1刷発行(初版)だから、ここのボスのセリフ、
ミスで抜けてるはず…というのを後の巻の柱トークで見たような…
「こわいんです!その方法がとても…!」
シエルの予知能力ってやっぱり厄介でもあるなぁと思います。
見たくないまで見えるんだったら、やりきれない。
シロたちの一生懸命さが、すごく伝わる回かな。
長老の家、もとい長老が大好きなんだもんね。
この子たちに構わず、さっさと取り壊してくれ
その声と共に、重機が長老の家にガッと当ります。
果たして、長老の家はどうなってしまうのでしょうか?物語は11巻へ。
まとめ
シエルの話がメインで、最後に長老のお話です。
シエルの人間の姿が、作中でも書かれていますが、一昔前の少女漫画から抜け出してきたような
容姿ですね。
人間に優しくしてもらったのなんて初めてだった、初恋だったとのセリフで、
子供の頃はきざったらしいイヤなヤツ、もとい猫だと思ってたんですが、
シエルもいろいろ苦労してきた猫なのかなぁ…と思うようになりました。
あと1巻の頃では、猫が苦手だった先生も、だいぶ猫が好きになってきたかな?と思いました。
実際ファンレターでも、猫が嫌いだったけどこの作品で猫が大好きになりましたというのが
けっこう多くきたみたいです。
最近は、さらに猫ブームですよね。今は犬より猫の方の飼育数が多い…はず。
可愛いもんね…猫ちゃん。
あ!柱トークで、この頃から、最終回はこんな感じかな?
と考えることが多くなったと書かれています。
シロたちの物語はまだまだ続きますからね!感動するシーンや泣けるシーンもまだまだあるぞ!(笑)
可愛い新キャラも出ますしね!
長老の家がどうなるか気になるところで、11巻へ。